弊社による漆塗り施工はとにかく伝統的工法・材料だけを使用することを第一としております。

昨今ではカシューに代表される化学塗料、パテ、サーフェーサー等の下地材料などによって、
経験の浅い作業員でも漆塗り風の仕事ができるようになり、実際ご寺院様でそのような施工をされることが多くなっております。
また、伝統的工法でありましても膠(にかわ)を使用した下地は湿気に弱いなど堅牢性に乏しく、
仕上がりの美しさでも本堅地による下地を施したものには及びません。

弊社の施工は、建築における漆工では最高の工法とされる本堅地→天然漆刷毛塗り→蝋色仕上げの一連の工程を標準施工しております。
(詳細は工程についてをご覧ください)

使用する漆は全て、漆の木から採った天然漆です。溶剤などの油で希釈してスプレーなどを使用することもなく、
人毛で作られた専用の漆刷毛を使用して人の手で塗ります。仕上げは蝋色を施すことにより、平滑な鏡面仕上げを実現しております。
鏡面仕上げにすると映り込みの像がよく見えますのでその像が歪まぬよう下地の段階からしっかりと作り込んでおります。

このような工程を経て完成した塗りは耐久性、堅牢性に優れ一度施工すると100年単位で美しさを維持することも不可能ではありません。
現在日本全国におきましても、本堅地→天然漆刷毛塗り→蝋色の技術を持った職人は希少となっております。

「誰にでもできる仕事」ではなく「他の誰にもできない仕事」には価値があります。