漆による各種技法
摺り漆(すりうるし)
生漆や透き漆を木地に摺り込んで、木目を美しく見せる。主に床や壇の天板に使用する。
立塗(たてぬり)
光沢を出すために油を混入させた上質の黒漆を刷毛塗りした仕上げ。黒漆の黒色は立塗用、呂色用共に酸化鉄と漆を反応させたもの。
蝋色(ろいろ)
油の入っていない上質の黒漆を刷毛塗りし、乾燥後研摩して鏡面仕上げにする。
箔下漆塗り
箔下艶消し漆を刷毛塗する。金箔は下の漆の艶具合を反映するので、一般的に艶消し漆を使用。
朱漆塗り
朱漆を塗った仕上げです。塗ったままの立て塗りと蝋色の2種類があります。
木地蝋色
透き漆を重ね塗りして木目を活かし蝋色仕上げにしたものです。
金箔押し
漆を接着材として使用し、金箔を貼った仕上げです。
良好な仕上げの見分け方
- 角や隅のラインに乱れがなく、整っている。近年では角が立って鋭角的なものが好まれる。
- 平面が正確に平らで、映り込む像に歪みがない。
- 呂色の場合、白っぽくなく、黒色が濃く深い。
写真は一見わかりにくいですが、鏡のように反射して見えている部分が漆塗りと蝋色を施工した長押です。
平面に映り込んだ歪みのない像をご覧ください。